Aug 20, 2009
家庭教師をつけて猛攻撃
大学受験の時に初めて家庭教師を雇った。それまで塾に通っていたのですが、塾に通っても、集団で勉強するため、一人一人の苦手分野を克服できず、弱い分野が弱い状態で残っていました。しかし、大学入試を控えて、今ではいけないと痛感して家庭教師を雇うことになりました。家庭教師をつけては、一対一の指導を受けることができるため、とても分かりやすく教えてもらえますし、弱いの克服に接続するような気がします。塾講師になるために普通の就職活動のように仕事を雑誌やインターネットの情報で応募することから開始します。塾講師は職業上の国家資格が必要なような感じがありますが、資格などは一切必要ありませんのでご安心ください。しかし、塾などに採用されるためには、筆記試験、実技などがあるので、しっかりと総合的な勉強をする必要があります。
「EPUB 3」がやってきた。国際標準の仕様に日本語組版ルールが組み込まれたEPUB 3は、国内の電子書籍市場に大きな変化をもたらすことになるだろう。このEPUB 3にまつわる疑問の数々を、EPUB 3の規格策定に当たって推進役となったイーストに直接ぶつけてみた。
・EPUB 3にまつわる疑問の数々が氷解
電子書籍フォーマット「EPUB 3」がいよいよ登場する。縦書きやルビ、圏点といった日本語組版特有のルールが世界標準に取り入れられたことで、関係者の感慨もひとしおのようだ。
もっとも、一般の読者からすると、自分が読みたい本が確実に手に入るのであれば、フォーマットが何であるかにそれほど関心がないのも事実。「別にEPUB 3がなくても日本語の電子書籍はApp Storeにゴロゴロしてるし、世界標準になってどういうメリットがあるの?」「ぶっちゃけ縦書きにそんなにこだわりはないんだけど」「青空文庫フォーマットでよくね?」などという声が上がってもおかしくはない。
とはいえ、例えば「出版社各社が電子書籍フォーマットの本命であるEPUB 3の登場まで電子書籍化を見合わせていた」という事実があるなら、これをきっかけに電子書籍のコンテンツが大幅に増えることは期待できるし、世界標準の仕様に日本語組版が含まれたことは、日本語の電子書籍市場を大きく変えることにつながるのかもしれない。
ただ、インターネットや書籍で読めるEPUB 3関連の記事はフォーマットの仕組みなどが中心で、エンドユーザーが知りたいことに答えたものは少ない。また、JEPA(日本電子出版協会)が主催するセミナーなどもあるが、そのほとんどが出版社を対象としており、エンドユーザーが興味を覚える話ばかりではない。
そこで、主に読者サイドから見たEPUB 3にまつわる疑問の数々を、EPUB 3の規格策定に当たって推進役となったイーストに直接ぶつけてみた。イーストからは、代表取締役社長の下川和男氏のほか、コンテンツビジネス事業部から開発部部長の加藤一由樹氏、サービス開発部からはEPUBエバンジェリストとして活躍する高瀬拓史氏に参加いただいた。
国内のEPUB事情を明らかにする本企画では、前編でEPUB 3の特徴や成立過程、そして問題点を、後編で漫画コンテンツを中心としたEPUB 3フォーマットの可能性について触れる。
●これから作るコンテンツが横書きでも、過去の資産を縦書きで表示できるのは大事
―― まず、今のEPUB 3のステータスから教えてください。
高瀬 5月23日にProposed Specificationという、提案仕様とでも呼ぶべきものが公開されています。ここから最低45日間は、EPUBが参照している技術が特許に絡んでいないかを確認するための告知期間で、その間は外部に公開した状態にしておく必要があるんですね。その期間が過ぎるとIDPF(International Digital Publishing Forum、米国の電子書籍標準化団体)の中で投票が行われて正式に確定した仕様となります。今年の夏、8月終わりぐらいがめどですね。
―― つまり特許絡みで大きな問題がなければ、今の提案仕様がそのまま採用されると。
高瀬 そういうことです。
―― そのEPUB 3ですが、ずばりEPUBのこれまでのバージョンと何が変わったんでしょうか。日本と海外とでもとらえ方は違うと思うのですが。
高瀬 まず日本から見たこれまでとの大きな違いですが、これまでは日本語ならではのレイアウトを実現しようとすると、どうしても既存の仕様を拡張した形にならざるを得なかったんですね。具体的には縦書き、ルビ、圏点、禁則、縦中横などです。
―― EPUB 3ではそれができるようになったということですね。
高瀬 そうです。あとはページ送りの方向。欧米では左開きが一般的なので、ページ送りの方向を定義する意義が薄かったんです。ただ、各国の言語を表示させようとすると、右開きのコンテンツもあるということで、EPUB 3ではページ送り方向も定義できるようになりました。
―― なるほど。海外では、EPUB 3といえばリッチコンテンツ対応といったように、日本とは違った部分に注目が集まっているようですね。
高瀬 そうですね。海外で話題になってるのは、1つはマルチメディアです。音声と動画を普通に入れてもよいことになったので。あとはインタラクティビティ。JavaScriptを利用してよいことになりました。EPUB 2でもiBooksなどが独自に拡張してこれらを扱えるようにしていたんですが、仕様上はあくまでもEPUB内でJavaScriptを使うべきではないという位置付けだったんですね。それが正式に使ってもよいということになりました。
それから埋め込みフォント。OpenTypeかWOFFのフォントが埋め込まれていた場合、きちんと表示しなければいけないというのが、リーダーにとって必須になりました。EPUB 2ではこの部分が特に決められていなかったので、リーダーによって表示されたりされなかったりと、まちまちの状態だったんです。これからは、埋め込めばきちんと表示してくれるようになります。
―― 読者の側、それからコンテンツを作る側のメリットについてはどうでしょう。
高瀬 フォントについてはデザイン的な要求もありますし、外字の対応でこの書体のこの字でないと意味がないという場合もありますよね。それが正確な情報として表示できるようになります。読者の側としては、美しい書体でコンテンツを見ることができるようになります。
―― 少し意地悪な質問になりますが、読者からすると、フォントにこだわりがない人も少なくないと思うんですね。もっといってしまうとフォントだけでなく、別に縦書きにこだわらずに横書きでもいいじゃんという意見もあると思います。その点はいかがですか。
加藤 確かに、読者は別に横書きでも構わなかったり、代替字であっても気付かない人が大半かもしれません。なので、むしろコンテンツを作る側に対して「ほら、こういう仕様を用意したから作れますよ」と提示できるのが大きいと思ってるんですよね。
―― つまり、どちらかというと読者よりも、作る側のこだわりが大きいということですよね。
高瀬 この辺りはEPUBの仕様を策定しているメンバーの中でも意見がまちまちで、個人的には縦書きはなくてもいいと思っているけれど、立場上、縦書きをどう表現するかに真剣に取り組んでいる人もいます。これから作るコンテンツは横書きでも構わないけど、縦書きされた過去の資産をちゃんと縦で表示できるようにするのは大事なことだと思うんですね。
●「餅は餅屋」で、出版社や著者の人はコンテンツ作りに集中すればよい
―― いまApp Storeに行くと、日本語の電子書籍アプリが売られていますよね。読者からすると、中身(フォーマット)がどうなっているのかはよく分からないけど、とりあえず日本語の電子書籍は存在しているわけです。そこにEPUB 3が出てきて、確かに縦書きやルビなど細かいところは違ってるのかもしれないけど、あからさまにEPUB 3でこう変わったというのは、読者の側からは見えづらいのではないかと思います。実際、.bookやXMDFも縦書きにやルビに対応していますよね。その点、EPUBの強みというのは何でしょうか。
下川 データフォーマットとリーダーが分離されてるということに尽きます。.bookにしても、XMDFにしても、データとアプリケーションは不可分です。それに対して「餅は餅屋」で、出版社や著者の人は、EPUB 3のコンテンツをしっかり作ってくれればいいだけだと。
先日「esper」という世界初のEPUB 3リーダーをリリースしたのですが、今後はたくさんのEPUB 3リーダーが出てくるわけです。仕様が公開されているので誰が作ってもいいわけですから。だからリーダーのことは気にせず、コンテンツをどんどん量産してもらえる。
―― どちらかというと作る側のメリットが大きいということですね。しかも世界標準のフォーマットだから、世界中でこれから出てくるどんなEPUB 3対応のリーダーでも、日本語のコンテンツが表示できるという。
下川 そうです。最近出版社に対するセミナーを行うことが多いんですが、そこで言ってるのは、いままで.book、XMDFは、リーダーもビジネスモデルも全部セットになっていた。でも恐らく年内にiBook Storeが日本語対応になってくるでしょうし、ソニーのReader Storeも今は.bookとXMDFだけですが、EPUB対応になるわけです。Amazonもその可能性が高い。そこにEPUBデータを出せばいいですよと。日本だけデータフォーマットに会社名が思い浮かんでロイヤリティーが発生する、そういうのとは違う世界がこれから来るということですね。
―― 出版社さんの反応はどうですか。EPUB 3が出てくることが分かってるから、しばらく電子書籍化の歩みを止めているとか、あるいはとりあえずXMDFや.bookで走っちゃおうとか、いろいろあると思いますが。
下川 ものすごく温度差がありますね。XMDFにこだわっている出版社などもありますが、将来的にEPUBになるという見通しを立てている出版社も数多くあります。だったらEPUBでどんどん走っちゃえと。.bookやXMDFからEPUBへの変換というのはそれほど難しくないんですよ。どれもHTMLベースで作られたものですから、きれいに構造化された形で.bookか何かのデータを作っておけば、変換はすぐできます。そういったことも一部の出版社しか分かってないですね。
―― シャープがXMDFの制作ツールをこの7月から無償配布するなど、XMDFもこれからツールを配布してどんどん作ってもらうという方向性が見えてきましたが、EPUB 3におけるそうしたツール面のサポートはどうでしょう。技術仕様などはepubcafeで公開されていますが、今後の予定は。
高瀬 「ここにこういう内容を書けば電子書籍になります」というHTMLとCSSのテンプレートを近々epubcafeで公開予定です。ひな型を用意して簡単にコンテンツが作れるようにすれば、出版、制作が促進できるかなと。
加藤 EPUB 3はHTML5とCSS3の仕様をほぼすべて含んでいるので、逆にどのタグを使えばよいのかが分かりづらいんですね。ですから、小説や新書ならこれぐらいで十分だよねというテンプレートを作って、コンテンツを作る出版社さん向けに「どうぞ使ってください」といった形で公開するつもりです。そういう仕様が1回出てくれば、オーサリングツールにしてもリーダーにしても、それを取っ掛かりにしてもらえると思っていて、まず土台から築いていこうという考えですね。
―― ちなみにイーストさんとしては、今現状でのオーサリング環境のお勧めはありますか。
高瀬 わたし個人の話ですが、今は「Sigil」しか使ってないですね。手作業でコードが打てますので。ただ、Sigilが今後、EPUB 3対応をちゃんとやってくれるか、ちょっと気になるところですが。
―― 日本の開発者がそういうツールを今出してきたら、それが国内でデファクトになることも考えられるんですね。
高瀬 可能性として十分ありますね。
加藤 チャンスですよね。
●縦書きが必要だというのを、いままでは誰も大きな声を出して言わなかった
―― ここまでEPUB 3という電子書籍のフォーマットについて伺ったんですが、一般の読者からすると「EPUB 3でそういう機能が実装されたのは分かった。でも、なぜWebの世界ではそれがないんだろう」というのは素朴な疑問ではないかと思います。その辺りのいきさつを教えていただけると。
下川 縦書きについては7年前、Microsoftが主導してW3C(World Wide Web Consortium)に提案して、IE 5.5に1回入ったんですよ。ところがそれがワーキングドラフトから上に行かずに落ちてしまったんです。で、EPUBというのは全部W3Cの技術を使っていて、中身はHTML5とCSS3なので、そちらにEPUBに縦書きを入れるとHTMLやCSSの世界でも縦書きを実現できるわけです。W3C側で入ったものがEPUBにも入るという流れが分かっていたので、W3C側で仕様を作って入れてもらったんです。
高瀬 われわれはW3Cの会員企業ではないので詳しい過去のいきさつは分からないのですが、出版社がWebの規格について働きかけをする必要が出てきたのは、今回がはじめてだと思うんですよね。これまでWebと出版はまったく別と見られていたわけで。
加藤 つまり縦書きが必要だというのを、いままでは誰も大きな声を出して言わなかったということですね。
―― なるほど。
下川 IE 5.5に縦書きが入ったのにうまくいかなかったのもそうですが、この7〜8年、日本はもう置き去りなんですよ。大手IT企業は、いまは中国と握れればそれでよいわけです。10年くらい前まではダブルバイトの処理を日本のアプリケーションで対応させて、その後アジア展開をやるという流れだったのが、いまはもう市場規模がまったく違いますから。
―― 声を上げる人がいないというお話でしたが、どちらかというと、市場規模の点で中国に目が向くようになったという。
下川 そうですね。MicrosoftもAppleも、みんな中国とどうつきあうかってことでやっている。どこも資本主義で動いているわけですから、それはそうですよね。
その中国では横書きが一般的で縦書きはありませんから、縦書きを入れるには日本が大きな声を上げないと無理だと。で、2009年11月にJEPA(日本電子出版協会)でEPUB研究会というのを作って、要求書の作成を始めたというわけです。
そして、2010年4月に「日本語処理についてこのような仕様がEPUBに入ってないといけませんね」という14項目の要求書を出したんですね。世界標準仕様の中で戦うために英語でドキュメントを作成して、IDPFやAmazonなど関係各所に説明して回りました。そうした活動を行っているうちに総務省から予算が出ることになって、一気に進んだという話ですね。
総務省の予算が出ていなかったら、恐らくあと2、3年は縦書きはできてない状況が続いていたでしょうし、日本の縦書き文化が消えていく要因になっていたかもしれない。今回、ちゃんと日本の文化を尊重しましょうという形で仕様に取り入れられたので、日本語の縦書きが入った電子出版がこれからどんどんと広がっていく仕組みが作れたと思ってます。
―― ちなみに今回、EPUB 3に採用されなかった日本語組版の仕様というと、具体的にどんなものがあるんですか。
下川 要求した14項目のうち唯一外れたのは「複雑ルビ」ですね。漢文の返り点のような、縦書きだと左右に、横書きだと上下に付くというルビです。それ以外の13項目はすべて取り入れられました。それ以外にも、いわゆる日本語組版でいうと、「日本語組版処理の要件」という印刷すると250ページにもなる膨大な仕様書があるくらいで、ものすごくいろんなことがあるわけですよ。その中のこれだけはやっておこうみたいなものが、EPUB 3には入っているというわけです。
●EPUBを使った教科書や教材の話のほか、漫画も具体的な話がある
―― 以前JEPAが行なったEPUB 3の成果報告会では、漫画をはじめ、雑誌や新聞、教科書といった各シナリオでのEPUBの利用事例の紹介がありました。恐らくどのシナリオでもEPUBがベストかというとそうではなく、向き不向きがあると思いますが、こうした各カテゴリーへの説明や働きかけについては現状いかがですか。
下川 少しずつ進んでいます。雑誌についてもマガジンハウスさんと試作をしていますし、教科書についてもEPUBを使った教科書や教材の話が来ています。漫画も幾つか具体的な話がありますね。
―― なるほど。EPUB 3でリッチコンテンツが入ってきて、海外ではそちらの方が注目されているというお話でしたが、これは雑誌での利用を前提にしているという解釈でよいのでしょうか。
高瀬 雑誌もありますが、どちらかというとアクセシビリティのためですね。
加藤 今回DAISYコンソーシアムさんが、新しいDAISYの仕様を作ろうとした際、EPUB 3にアクセシビリティの仕様があるなら新しい仕様は作らなくていいねということで、EPUB 3に統合という形になったんですよ。
高瀬 DAISYコンソーシアムではアクセシビリティを高めたDTBookという独自の配信フォーマットがあったんです。EPUB 2だとXHTMLの代わりにDTBookでコンテンツを書いてもいいという扱いでしたが、次のDAISY4という規格は交換フォーマット的な位置付けになって、配信する時はそこからEPUB 3を生成するようになりました。つまり、読者に直接手渡すのはDTBookではなくEPUB 3でよくなったわけです。
●DAISYコンソーシアムとは
DAISY(Digital Accessible Information System)は、障がいなどが原因で印刷物を読むことができない人々のために開発された世界的な規格。DAISYコンソーシアムはこの規格を普及させるための団体で、さまざまな企業や団体が参加している。詳細はDAISYのホームページを参照。
―― つまり、EPUB 3のビューワがあれば見れちゃうと。
高瀬 そうです。それでも十分アクセシビリティは保証できるってことですね。
下川 いま「EPUB 3コンテスト」というのを開催しているのですが(編注:現在は終了)、その中に川幡さんという方がエントリーされていまして、彼の作品は文章にカーソルを合わせるとそこが音声で出るようになっています。オーディオファイルとテキストの該当個所をカチッと連携させているんですね。
高瀬 MP3で朗読したオーディオファイルがあって、そのファイルの何秒から何秒までがテキストのこの部分に相当するっていうのをSMIL(スマイル)というXMLで定義しているんですね。これを使えば「朗読少女」に近いことができるんですよ。
―― なるほど、面白いですね。
高瀬 実際の利用例としては音楽、楽器の教則本といったコンテンツが多いですね。学習用途にはニーズがあったのかなと感じています。
●ソーシャルDRMでいいんじゃないかという意見は、出版社にはあまり通じない
―― EPUB 3はオープンなフォーマットということですが、各社が配信する際には、独自にDRMを追加することもできると聞きます。その辺りの取り組みについて教えてください。
加藤 DRMは各社さんともやると聞いています。ただそれは特定の仕様に基づいてというわけではなく、独自ですね。標準的に使われている「ADEPT」というAdobeのDRMは、Sony Readerをはじめ世界中に広まっている非常に強力な方式なんですが、イニシャルで料金が発生するのに加えて1配信幾らという価格体系なので、全世界レベルで展開するようなところでもない限り、配信業者さんにとってはコスト的に非常にハードルが高い。今後は「カジュアルコピーが防げればいいや」ぐらいのDRMをちょこっとかけるパターンが多くなってくるかもしれません。
高瀬 コストとのトレードオフですよね、DRMは。
加藤 EPUBの仕様の中でも、DRMをかけるのならこことここの情報を使ってねというのが入っています。DRMを解釈できないリーダーでも、メタ情報を読めて、これはこういうファイルでDRMにかかわってますということだけは表示できます。
高瀬 EPUBの仕様で「絶対に暗号化してはいけないファイル」というのがあって、例えば本のタイトルや著者名など出版物そのものに関する情報は、DRMなど暗号化の対象にはなっていないんです。
―― つまりライセンスから外れた状態で読もうとすると、これはこういう本で著者は誰々です、でもこういう理由で本文が表示ができませんというアラートが表示されるわけですか。
加藤 そういうことです。AdobeのDRMもEPUBに関してはその形式をちゃんと順守しているので、AdobeのDRMを解釈できないリーダーでもメタ情報だけは見れられます。
高瀬 作り手のコストと、読者の選択によって、自然とどこかに収束していくんじゃないかなという気はしますね。
加藤 ユーザーが購入したコンテンツに関しては、ソーシャルDRMぐらいでいいんじゃないかという意見はあります。ただ、そこは出版社さんにはあまり通じないんですよね。これコピーされて配られたらどうするの? と聞かれたときに、「それはソーシャルDRMで十分ですよ」という意見はちょっと通らないですね。
―― 日本国内と海外とでDRMに関する温度差はありますか?
加藤 例えばオライリーさんはソーシャルDRMで成功しましたけど、その成功例を持ってきて日本でもどうですかというのは、ちょっと難しいですね。
高瀬 オライリーならではという感じもしますしね。
加藤 コンテンツの種類によるんですかね。オライリーなどは読む人が限られてるから。
高瀬 図書館はきっちり導入することを求められますね。ニューヨーク公共図書館やボストン公共図書館はいまAdobeのDRMを採用していて、図書館のホームページに対応リーダーが書かれています。「AdobeのDRMに対応したビューワでは読めますが、それ以外のビューワでは読めません」といった具合です。だから読める端末まで図書館側から制限されちゃってるんですよ。
【山口真弘,eBook USER】
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